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猫1匹・犬(ウィペット)2匹・おかやどかり・音楽を愛し、エキセントリックな日々を過ごす管理人の日常を綴ります。


by nana_gizmo
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ヒートと連帯?欠席

 『足柄でBBQ』の記事中で「キューがヒートで不参加」
「キューのヒートでマーキーが連帯?欠席」について質問が
ありましたので、ざっくりと説明してみたいと思います。

犬を飼っている方には避けて通れない問題ですが、
飼っていない方にはまったく意味のない話ですので、
興味がない方はスルーでお願いします。




「連帯責任て…」
ヒートと連帯?欠席_b0118624_8245523.jpg

「こんな感じ?それとも…」
ヒートと連帯?欠席_b0118624_8245056.jpg










だいたい半年に一度、犬のメスには月経と同様なものがあります。
これを『ヒート』や『サカリ』などの言葉で表現します。
詳しくはこちら↓
犬の生理


半年に一度しか訪れませんが、その間に交配可能なのは僅か5日ほど。
1年で10日程度しか、子孫繁栄のチャンスがない訳です。

これは何を意味するかといえば、オスもメスも必死になって
子孫繁栄の僅かなチャンスにすがろうとするのです。


ヒートの来たメスは、効率的にオスを誘うためフェロモンを出します。
その威力は、数キロ先にいるオスが反応することもあるとか。
この時期のメスを散歩をすると、オスのように道の匂いを嗅ぎオシッコを
して歩き、自らのアピールに余念がありません。

対するオスの方も、ヒート中のメスの匂いに大変敏感です。
僅かなチャンスを逃してなるものかと、匂いを嗅いだ時点で寝食を忘れ、
飼い主さえ忘れ、子孫繁栄の本能に突き動かされるのです。


もし散歩中、ヒートのメスがオスと行き会えば、オスはキャンキャン鳴き、
メスのところへ向かおうともがき暴れるでしょう。
一度匂いを嗅いでしまうと、帰宅してもご飯を食べずにヒンヒン鳴いたり、
落ち着かなげに歩き回って、飼い主の言うことを聞かなくなります。


これがドッグランだったらどうでしょう。
オスはヒート中のメスをめがけ突進し、なんとか思いを遂げようとします。
交配できるかどうかの選択権はメスにあるので、もし意に染まない相手だと
メスが怒り、喧嘩に発展することもあります。

また、ヒート中のメスを巡り、オス同士で交配の権利をかけて
本気の喧嘩に発展することがよくあります。
これは大変危険で、運が悪いとどちらかが死亡する恐れもあります。


これだけ危険な状況を引き起こすヒートは、交配可能なのは5日程度なれど、
ヒートのフェロモンが匂う期間は大変長いのです。
僅か5日しかないからこそ、オスを誘う匂いの出る期間が長いのかもしれません。

発情前期から発情期は出血が始まってから15日前後、
発情後期が2カ月ほどあります。
オスの反応を見ると、発情前期の1〜2週間前くらいから態度が変わり、
出血が始まってから60日くらいで、ほとんど態度が変わらなくなるように見えます。


このようなことから未避妊メスの飼い主は、犬のヒートについて
かなりの気づかいが必要となるでしょう。
よく「出血が始まってから1カ月は外出を控える」と言いますが、
私は『1カ月ではまだ早い』と思っています。
1カ月では、未去勢オスのほぼ全数が匂いに反応します。
ヒート後のメスを公共の場所へ連れ出す時は、『出血から1カ月半過ぎ』
というのが一つの目安だと思います。

犬の飼い主たちの間で盛んになったイベント・レースへの参加となると、
出血から2カ月は参加を見合わせた方が安全だと思います。
ヒートはそれだけオスに与える影響が強いのです。


「そんなに長く?!」
と思われる方もいるかもしれませんが、ヒートのメスが出す匂いの影響は、
メスの飼い主が目にする「マウントした、しない」くらいの表面上のこと
だけではありません。
例えばレースならタイムに影響が出るでしょうし、帰宅してからも
ご飯を食べなかったり、夜通しメスを呼んで鳴き叫んだり、大変なものです。


未避妊メスの飼い主さんがどう感じるかはわかりませんが、これだけ密集した
日本の住宅事情の中で多くのペットが飼われている現状を鑑みると、
やはりヒートを迎えるメスの飼い主が気をつかうべきでしょう。
オスの飼い主には、フェロモンの反応を防ぎようがないのです。
早いうちに去勢手術をしても、反応する子が多いのです。


未避妊メスを飼っていて、将来交配予定がなく、ヒートがイベントやレース
参加の足枷だと感じるようなら、早々に避妊手術することをお勧めします。

昔は「一度ヒートを見送ってから手術」という説が支持されましたが、
今では『そのような説に根拠はない』というのがセオリーなようです。
また、避妊・去勢手術は将来、発症する可能性の高いホルモン系の病気を
防ぐ手だてにもなります。

その上ヒートを迎えたメスは、怠かったりイライラするため、
普段は仲の良い同居犬や家族に対し、攻撃する場合があります。
ヒート中でない未避妊メスも、子宮を温存するとメス本来の
行動のせいで攻撃性が高まる場合もあります。
攻撃性の高い未避妊メスの扱いに困っている時は、避妊手術が
功を奏する可能性もあります。


未避妊メスの飼い主さんは、ヒートを迎えたメスの扱いに細心の
注意を払うことを念頭に置いてください。
煩わしいなら避妊手術をお勧めします。

オスの飼い主さんは、ヒート中や前後のメスがいないかの確認を
怠らず、マウントや喧嘩の発生を食い止めてください。
未去勢オスは去勢手術をお勧めします。



こんな事情からヒート中のキューはもちろん不参加、
同居犬のマーキーもキューの匂いが付いているので不参加です。
オスの飼い主さんに不快な思いをさせるのは申し訳ないし、
オスたちの切ない姿、そして飼い主さんに怒られてしまうのは、
見ていてとても辛いです。

未避妊メスの飼い主さんはその辺の事情を踏まえ、譲り合う心を持ち、
友好的なドッグライフを送っていただければなぁ、と思います。






「つまり、こういうこ!」
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by nana_gizmo | 2010-10-22 23:46 |